根管治療のメリット・デメリット|痛みを抑える最新治療法

「神経を抜くって怖そう…」「治療中の痛みが心配」。歯内療法専門医として10年以上の臨床経験を持つ私は、こうした不安の声をよく耳にします。実は、最新の根管治療は昔と比べてかなり進化しており、痛みを抑えた治療が可能になっているんです。

今回は、根管治療の実際についてお話ししたいと思います。
 

■そもそも根管治療はなぜ必要?

虫歯が進行して神経(歯髄)まで達してしまったり、歯を強く打って神経が死んでしまったりした場合に必要となるのが根管治療です。適切な治療を行わないと、根の先に膿が溜まったり、顔が腫れたりする原因になってしまいます。
 

■最新技術で変わる根管治療

従来の根管治療に対するマイナスイメージを覆す、最新の治療技術をご紹介します。
 

【マイクロスコープ治療】

歯を最大20倍まで拡大して見ることができる特殊な顕微鏡です。肉眼では見えにくい細かな病変も見逃さず、より正確な治療が可能に。
 

【3D画像診断】

CTを使って歯の立体画像を撮影。複雑に曲がった根管も把握でき、より安全な治療につながります。
 

【ニッケルチタンファイル】

柔軟性の高い特殊合金で作られた治療器具。根管内を傷つけにくく、治療時の痛みも軽減できます。
 

■治療のメリット・デメリット

実際の治療経験から、正直にお伝えします。
 

【メリット】

・自分の歯を残せる可能性が高まる
・深い虫歯による痛みから解放される
・インプラントと比べて治療費を抑えられる
・適切な治療で長期的な安定が期待できる

 

【デメリット】

・完了まで数回の通院が必要
・治療後、歯が若干もろくなる可能性
・まれに、再治療が必要になることも
 

■治療の成功率を上げるポイント

私の臨床経験から、以下の点が特に重要だと感じています:
 

1. 早期発見・早期治療

症状が重くなるほど、治療も複雑になります。
 

2. 適切な技術と設備

マイクロスコープなどの設備が整った医院を選びましょう。
 

3. 治療後のケア

定期的な検診で経過観察が必要です。
 

■こんな症状がある方は要注意

・冷たいものがしみる
・噛むと痛い
・自発的な痛みがある
・歯ぐきが腫れている

これらの症状がある場合は、すでに神経に炎症が及んでいる可能性が高いです。早めの受診をお勧めします。

実は根管治療は、歯科医療の中でも特に繊細な技術が求められる治療の一つです。ただ「神経を抜く」のではなく、複雑な根管の形態を理解し、適切な処置を行うことで、患者さんの大切な歯を守ることができます。

不安な方は、まずは検査だけでも受けてみてはいかがでしょうか。当院では、マイクロスコープを使用した精密な治療で、できる限り痛みを抑えた治療を提供しています。皆様の歯の健康を守るため、最新の技術と経験を活かしたサポートをお約束します。

詳細はこちら