咬筋弛緩療法 – 顎の痛みや歯ぎしりでお悩みの方へ

咬筋の過緊張を和らげる治療法とは?

咬筋弛緩療法

多くの方が経験する歯ぎしりや食いしばり、それに伴う慢性的な肩こりや頭痛。これらの症状の原因が、実は顎やエラの筋肉(咬筋)の過緊張にあるかもしれません。口の開きにくさや顎関節の痛みなども、周辺筋肉の緊張が大きく影響しています。

そんな悩みを改善するために注目されているのが「咬筋弛緩療法」です。この治療法は、筋肉の緊張を和らげる 働きを持つ成分を注射するものです。神経から筋肉への伝達を一時的にゆるやかにし、過度に緊張した筋肉を緩める効果が期待できます。歯科医療の現場では、安全性を確保した製剤を使用しており、顎の筋肉の緊張を和らげることで様々な症状改善を目指します。

こんな症状でお悩みの方にご提案しています

  • 朝起きたときに顎が疲れている、痛みがある
  • 周囲から歯ぎしりを指摘されることがある
  • 慢性的な肩こりや首のこりに悩まされている
  • エラの張りが気になってきた
  • 知覚過敏で冷たいものがしみる
  • 奥歯の詰め物が頻繁に取れる、割れる
  • 歯がすり減ってきている

このような症状がある方は、顎の筋肉が過度に緊張している可能性があります。
この注射による治療はこうした筋肉の緊張を和らげ、症状の改善が期待できます。

歯科医院で行う「咬筋弛緩療法」の特徴

咬筋弛緩療法

この治療法は美容目的でも用いられることがありますが、歯科診療所で行う治療には大きな違いがあります。歯科での治療は見た目の改善だけでなく、噛み合わせなどの機能面に重点を置いています。

顎関節症や歯ぎしりなどの改善を第一の目的としているため、単に筋肉を弱めるだけでなく、口腔内全体のバランスを考慮した治療が可能です。症状によっては、必要に応じて他の治療と組み合わせることで、より効果的な症状改善を目指せる点も歯科ならではの強みです。

咬筋弛緩療法のメリット

本治療の主なメリットは、顎周辺の筋肉の過緊張を緩和し、歯ぎしりや食いしばりによる様々な症状を改善できる点です。これにより期待できる効果として以下のようなものがあります。

  • 顎の痛みや疲労感の軽減
  • 肩こりや頭痛などの関連症状の改善
  • 歯の過度な摩耗の進行抑制
  • 知覚過敏の軽減
  • 詰め物や被せ物の寿命延長

また、機能的な改善だけでなく、副次的な効果としてエラの張りが和らぐことや、顎周りのシワが改善されることも期待できます。口角を上げる筋肉に適切に処置することで、笑ったときに歯茎が見えすぎる症状の改善に繋がるケースもあります。

咬筋弛緩療法の注意点

どんな治療にも注意点があります。この治療法の効果は永続的ではなく、通常3~4ヶ月程度で薄れてくるため、症状の改善を維持したい場合は定期的な治療が必要になることがあります。

また、一度の注射で十分な効果が得られない場合でも、次の投与までには一定期間(通常2ヶ月程度)空ける必要があります。さらに、体質によってはアレルギー反応が出る可能性もゼロではありません。施術後に異常を感じた場合は、すぐに当院へご連絡ください。

もちろん、すべての症例にこの治療法が適しているわけではないため、事前の診察で適応を慎重に判断します。

治療の流れ

1.初回カウンセリングと診察

まずは丁寧な問診で、お悩みの症状や全身の健康状態を確認します。その後、口腔内や顎の状態を診察し、本治療が適切かどうかを判断します。治療のメリットだけでなく、注意点やリスクについても詳しく説明し、疑問や不安にお答えします。

2.治療当日

実際の治療では、症状に合わせて顎やエラ周辺の筋肉に適量の製剤を注射します。使用する針は非常に細いため、痛みはごくわずかです。治療時間は10~15分程度と短く、終了後はすぐに日常生活に戻ることができます。

3.効果確認と経過観察

治療効果は通常、注射から2~3日後から徐々に現れ始め、1~2週間で安定してきます。効果の確認と調整のため、1週間後に再診をお願いしています。

まとめ

咬筋弛緩療法は、歯ぎしりや食いしばりによる顎の痛みや関連症状に悩む方にとって、有効な選択肢のひとつです。機能的な問題と美容的な悩みの両方にアプローチできる点が大きな魅力ですが、専門医による適切な診断が重要です。

「朝起きたときの顎の痛みから解放されたい」「歯ぎしりで歯が削れるのを防ぎたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。